"アーティスト" -VAN HALEN Japan Tour-


 東京ドームは本当に音が悪い。
だから、たまにアーティストの方が"夢は東京ドーム"とか言ってるのを聞くと「マジかい」って思ってしまう。「本当に音楽を聞かせたいのかい」って。

 あと日本人のライブのノリの悪さ。
いやいや、写メ取ってないで音を感じぃよ。誰が目の前で演奏してると思っとんねん。まぁでも演奏された曲はほとんど30年以上前の曲だったから、ノスタルジック同窓会的な雰囲気になるのも致し方無し、か。

 普段見に行くライブなら、この時点でもうテンションだだ下がりで絶対不完全燃焼で終わるんです。
(昔、自分達の演奏中、次の出番のカリスマギャルTさん目当てのお客さんが最前で化粧直しまくってんのには本当に萎えた、なんてこともあったな。)
こういう場合は、大概ライブで楽しみまくることを捨てて、ひたすら勉強に走る。ここはどういう風に弾いてるんだ?とか、機材は何使ってるんだ?とか、ここの照明演出はこういう方が良くないか?とか、1人でやる。ぶっちゃけ日本人アーティストのコンサートはほとんどこっち。ライブを見る=勉強、という位置付け。

 まぁこれだけ前置きを書けば、もう何が言いたいか分かりますよね。笑
そう、ホントそんな悪状況をものともしないくらい、素晴らしい時間でした。

正直、もう動くVAN HALENを見られるだけで十分すぎるくらいだったんですが、演奏も本当に素晴らしかった。特にEDDIEに至っては、まだ上手くなってんじゃないかってくらい。DAVEもかつては無かったハイトーンボイスを身につけて超パワフルだったし。


"Unchained", "Somebody Get Me a Doctor", "Hot for Teacher", "Panama", "Ain't Talkin' 'bout Love", "Jump"...
何万回聞いて、何万回コピーしたんだって曲達の連続。。

思い入れが強すぎてそれだけで満足なのに、いやもう脱帽の演奏力。
Jumpのギターソロのラストのチョーキングトーンのとこで。
えぇ、泣きました。もう本当に感動した。


曲、表現力、演奏力、パフォーマンス。あと個人的な思い入れと思い出。Eddieの笑顔。
いやぁ、人生で最も印象的な日の1つになりました。




 でね、その日コンサート終わった後は呑んで踊って余韻も楽しんだんだけど、その興奮状態が冷めた朝方に、超瞑想スイッチ入っちゃって、昼過ぎくらいまでノンストップで頭グルグルさせてたんです。(こういう性分ももういい加減嫌なんだけど。)


色々な状況を鑑みて、自分たちが今在る状況を瞰してみてね、
The Beatles然り、Michael Jackson然り、Mozart然り、VAN HALEN然り。
アーティストってこうだよなって心底思いましたよ。


ジャンル、規模全く関係ない。
当たり前だけど、売れてる売れてないも関係ない。


命削って、表現する。
それを命削って、体感する。

アーティストとリスナーの関係ってこうであって欲しいなぁ。


ブツ切りの歌表現、ピッチ補正や、ループの貼り合わせ。
さらにそれをカラオケ・口パクのコミュニケーション。

受け手は、フリーダウンロードや、アプリをワンクリック。
それをmp3でこんなちっちゃいイヤフォンで聞いて、ライブでは写メばかり。


そりゃもちろん音楽の回りにある"遊び"の部分の占める比重が多い時代なんだろうけど、こんなスタンスでいたら、音楽で感動する、という原始的な体験はなかなかできないよなぁ。アーティストもリスナーもね。

芸術・エンタメで理屈抜きに感動する感覚っていうのは、神がヒトに与えた最大幸福だと本気で思ってるけど、こういう風に若干クリティカルに考えると、今課せられている使命はデカい。と思う。
じゃあお前、今そういう風に身を振ってんのかよって、てめぇに言いたくもなる。
今一度自分を戒めないと。


まぁそんなようなことを考えさせられた1日でした。
まだ良くわからないけど、結構人生の中で大きな1日だったんじゃないかな。笑



長々と駄文にお付き合い頂いてありがとう。
VAN HALENのライブレポだと期待して見てくれた方、ホントごめんなさいww




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